Japanische Klassiker mit Furigana
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スモーリヌイにひるがえるあかはた
スモーリヌイに翻る赤旗
宮本 百合子
Lesen Sie スモーリヌイに翻る赤旗 (スモーリヌイにひるがえるあかはた) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.354 Zeichen · 51 Bildschirme
二人の日本女は急に静かで頭の芯がジーンとなったような気持で顔を洗った。
戸を叩いて、
――もういいですか?
停車場まで迎えに来てくれたNが、柔い黒い毛でつつまれ少し鉢のひらいた頭を出した。
――さあ、どうぞ。
するとNは後を振向いてロシア語で「かまわないそうです」といい、道をゆずって一人の大柄な女を室の中へ入れた。
――「学者の家」の監督やってる人です、とても親切なんだ。
それからロシア語で、
――御紹介しましょう、こちらがエレーナ・アレクサンドロヴナ。
――我等の主婦、ユアサ・サン、チュージョー・サンです。
――おめにかかれて本当に愉快です。
Nが日本語でしゃべっていた間、栗色の目に微笑をたたえてNの顔や二人の日本女の顔を見ていた大柄な中年婦人は、改めてていねいに眼で挨拶し、手を出した。
――今日は。
その手にさわって日本女は変な気がした。というのは、その我等の主婦はまるで札幌にいるイギリスの独身女宣教師みたいに力を入れない握手をしたのだ。まるきり手を握らないことはソヴェトで珍しくない。だがこういう握手――
――フランス語おはなしなさいますか?