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Japanische Klassiker mit Furigana

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ズラかったしんきち

ズラかった信吉

宮本 百合子

Lesen Sie ズラかった信吉 (ズラかったしんきち) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.656 Zeichen · 110 Bildschirme

Aozora Bunko

信吉にも、労働者らしい鳥打の方がよくて、ビールの口金を勲章にしたのや空罐をかぶったのは敵役だということだけは分る。伸びあがって笑いながら、山羊皮外套に防寒帽をかぶったまんまでつめかけてるロシア人に混って手を叩いていたら、

「――どうだい」

声かけた者がある。朝、二十七度だぞウと怒鳴った若い男だった。

四

これがきっかけで信吉は松太と、だんだん親しく話をするようになった。

ちょうど、二十七度休みがあった十日ばかり後の宵のくちだ。ロシア労働者たちが、星空の下に白く凍った雪を絶えず、キ、キ、と鳴らしながら林の間を三号バラックの方へ集ってゆく姿が見えた。

この間の茶番以来、信吉はロシアバラックの生活ぶりに好奇心を抱いている。いい加減集りきった頃をはかって、自分も行って覗きこんだ。

へえ。……今日はまた、やに真面目なんだね。演説だ。バラックの奥ではランプの明りで赤い髪を火のように光らせながら、一人の若い男が立って喋ってる。ときどきつっかえる。そうかと思うとタワーリシチー! レーニン何とかかんとか※(感嘆符二つ、1-8-75) 大きな声で叫んで拳固を上から下へ振りまわす。