Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ズラかったしんきち
ズラかった信吉
宮本 百合子
Lesen Sie ズラかった信吉 (ズラかったしんきち) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.656 Zeichen · 110 Bildschirme
三等車の板の棚の上では、どういう目的でモスクワへ行くのかはっきりわからない知識的な朝鮮人と、漠然プロレタリアートの幸運にあこがれている日本の若者信吉とが、黒パンの屑を捏ねてポツポツ喋りながら、揺られておった。
(※(ローマ数字「II」、1-13-22))
一
ひとり。
ふたり。
さんにん。
よにん――
十から十三四ぐらいまでの男の子が鉄柵の前へ並び、小さい木の磨台をおっぴらいた両脚の間へ置いて靴磨きをやってる。
「小父さん、磨かせな、よ!」
「黒靴みがき! 黒靴みがき、十カペイキ!」
トントン、パタパタ、
トン、パタパタ。
商売道具の細長い刷毛で赫っ毛のチビが台をたたいてる。後は日の照りつけるクレムリンの壁だ。鉄柵との間に狭い公園があって、青草が茂っている。
信吉は、大通りのこっち側で、煉瓦砕きをやっている。教会の取こわしで、屋根はブッコぬけて、壁だけがまだ残っている。壁に細かい薄色煉瓦をはめこんで、天使だの、獅子だのの模様がついていた。信吉が、左手はミットみたいに先の四角な帆布の袋へつっこんで、せっせと砕いている煉瓦屑の表にも、そういう模様がついている。