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Japanische Klassiker mit Furigana

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ゼラールちゅうい

ゼラール中尉

菊池 寛

Lesen Sie ゼラール中尉 (ゼラールちゅうい) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.909 Zeichen · 16 Bildschirme

Aozora Bunko

フレロンの要塞の内部でも、ゼラール中尉はそれほど評判の悪い方ではなかった。兵卒などははきはきした中尉の命令に快く従った。司令官の老大佐も、中尉のことを悪くは思っていなかった。ただゼラール中尉には、不思議なことに友人が一人もできなかったのである。

彼はフレロン要塞に来てから三年近くになるが、いまだに深い交友を得られなかった。実際この要塞へ新しく来た士官などは、調子のよいゼラール中尉と一番先に心安くなる。そして最初の友情がぐんぐん発展しそうに見える。ところがそれが一月ばかりすると、妙にいじけて、そのままに発達が止まってしまうから不思議であった。むろん相手の方では、前と同じように、ゼラール中尉に挨拶をする。世間なみの話も快活にやるが、それより深くは一歩も踏み込まないように見える。それで間もなく、ゼラール中尉よりも後から知り合いになった他の士官とより親密になって、軍人同士の遠慮のない友情を結んでしまうのである。

中尉は、いつもきまって取り残されるのであった。彼は仕方なく、一人でカフェーへも行き、オペラへも行かねばならなかったが、新しい士官が来ると、またきまってゼラール中尉と知り合いになり、一月ばかりすると、またきまってゼラール中尉から離れていった。