Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
きなだむら
ゼーロン・淡雪 他十一篇
牧野 信一
Lesen Sie ゼーロン・淡雪 他十一篇 (きなだむら) von 牧野 信一 (まきのしんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.321 Zeichen · 54 Bildschirme
そんな時には僕は面白くて思わずメガホンを執って荒武者たちに声援を浴せたりするのであるが、舟ばかりを欲しがっている友達の胸の中を思い返すと直ぐに僕も変になって、事務的に旗の上げ下しを手伝ったり、黙々として気象観察や潮流図の日誌を記したりするのであった。そして、ピザの斜塔の物理学者の助手にでもなったかの通りな冷たさに閉され続けたのである。二人は、魚見櫓の窓から、ただ強そうな顔を現して村の騒ぎを仔細に見物するだけだった。
「おお、それは――」
僕もそれより他は声が出なかった。そして二人は、互いの名前を呼び合って、手に手を執って踊っただけである。
それから魚見櫓に駆け戻って亢奮状態がやや収ってから、
「で、ね、俺は君の家に駆け込んだのさ、するとドアには錠が下りていて――誰もいない。が、君の窓はすっかり開け放しになっているんで、庭から廻って、覗いて見ると、灯りは満々と点けッ放して、君の姿も見えないんだ。まるで大喧嘩の後のようにあたりは散らかっているじゃないか……」
などということだけを彼は語るのであった。どうして舟を持つ身になれたか、家名を実質上に取り戻し得ることになれたか――というようなことには触れもしないのである。