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Japanische Klassiker mit Furigana

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ドグラ・マグラ

ドグラ・マグラ

夢野 久作

Lesen Sie ドグラ・マグラ von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 424.847 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

……けれどもその声は、まだ声にならないうちに、咽喉の奥の方へ引返してしまった。叫ぶたんびに深まって行く静寂の恐ろしさ……。

奥歯がガチガチと音を立てはじめた。膝頭が自然とガクガクし出した。それでも自分自身が何者であったかを思い出し得ない……その息苦しさ。

私は、いつの間にか喘ぎ初めていた。叫ぼうにも叫ばれず、出ようにも出られぬ恐怖に包まれて、部屋の中央に棒立ちになったまま喘いでいた。

……ここは監獄か……精神病院か……。

そう思えば思うほど高まる呼吸の音が、凩のように深夜の四壁に反響するのを聞いていた。

そのうちに私は気が遠くなって来た。眼の前がズウ――と真暗くなって来た。そうして棒のように強直した全身に、生汗をビッショリと流したまま仰向け様にスト――ンと、倒れそうになったので、吾知らず観念の眼を閉じた……と思ったが……又、ハッと機械のように足を踏み直した。両眼をカッと見開いて、寝台の向側の混凝土壁を凝視した。

その混凝土壁の向側から、奇妙な声が聞えて来たからであった。

……それは確かに若い女の声と思われた。けれども、その音調はトテも人間の肉声とは思えないほど嗄れてしまって、ただ、底悲しい、痛々しい響ばかりが、混凝土の壁を透して来るのであった。