Japanische Klassiker mit Furigana
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ドグラ・マグラ
ドグラ・マグラ
夢野 久作
Lesen Sie ドグラ・マグラ von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 424.847 Zeichen · 824 Bildschirme
然れ共呉青秀の忠志は遂に退かず、至難に触れて益々凝る。遂に淫仙の名を得たりとある。淫仙というのはつまり西洋の青髯という意味らしいね」
「ヘエ……しかし淫仙は可哀相ですね」
「ところがこの淫仙先生はチットモ驚かない。今度は方針を変えて婦女子の新葬を求め、夜陰に乗じて墓を発き、屍体を引きずり出して山の中に持って行こうとした。ところが俗にも死人担ぎは三人力という位で、強直の取れたグタグタの屍体は、重量の中心がないから、ナカナカ担ぎ上げ難いものだそうな。それを一所懸命とはいいながら、絵筆しか持ったことのない柔弱な腕力で、出来るだけ傷をつけないように、山の中まで担いで行こうというのだから、並大抵の苦労ではない。あっちに取り落し、こっちへ担ぎ直して、喘ぎ喘ぎ抱きかかえて行くうちに、早くも夜が明けて百姓たちの眼に触れた。かねてから淫仙先生の噂を耳にしていた百姓たちは、これを見て驚くまい事か、テッキリ屍姦だ。極重悪人だというので、ワイワイ追いかけて来たから淫仙先生も止むを得ず屍体を抛棄して、山の中に姿を隠したが、もう時候は春先になっていたのに、二三日は、その背中に担いだ屍体の冷たさが忘れられなくていくら火を焚いても歯の根が合わなかったという」