Japanische Klassiker mit Furigana
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ドグラ・マグラ
ドグラ・マグラ
夢野 久作
Lesen Sie ドグラ・マグラ von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 424.847 Zeichen · 824 Bildschirme
…………………………」
という最前の舞踏狂の少女の澄み切った声が、南側の硝子窓越しに洩れて来る……。
……突然……一つの素晴らしい考えが頭の中に閃めいた。私の頭の中心にコビリ付いていた千万無数の…… ? ……が一時にパッと光って消え失せたような気がした。器械人形のように顔から手を離して、廻転椅子の上に腰かけ直した。正木博士が出て行った入口の扉を見た。正面の壁にかかった黄金と黒の二つの額ぶちを見た。眼の前に散らばっている様々の書類を見まわした。秋の正午に近い光りが、室中一パイに籠った葉巻の煙を青白く透かして、色々な品物の一つ一つにハッキリした反射を作っているのを見た。
「……ナア――ンダ……ナア――ンのコッタイ。……これあ……アッハッハッハッハッハッハッハッハッ……」
私は両方の横腹から、たまらない可笑しさがコミ上げて来るのを両手で押え付け押え付けして笑い続けた。
……馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿……大馬鹿の大馬鹿の三太郎だったんだぞ俺……アッハッハッハッハッ……
……若林博士も、正木博士もそうなんだ。イヤ、俺よりもモットモット念入りの大馬鹿なんだ。俺たちは三人共、飛んでもない誤解をし合っているのだ。