Japanische Klassiker mit Furigana
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ドミノのおつげ
ドミノのお告げ
久坂 葉子
Lesen Sie ドミノのお告げ (ドミノのおつげ) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.713 Zeichen · 42 Bildschirme
そしてあのレコードを、この本をと、あれこれ買って来てくれといつも私にたのむのです。私はそのためにお金の苦面をせねばなりません。一ヶ月でも註文品をおくらせますと大変な見幕でおこり出してしまうのです。
「とにかく、信二郎のことは、私が責任持つわ。あれだってもう本を買ったりしなきゃならないんですものね」
私は病院の玄関まで送りに出て来た兄と握手をして坂を降りました。悄然とたたずんでいるその兄の姿は、どう見ても時代の臭いのない、もう世間から締め出しをくった者のような気がして、さっきはなしたことを思い出しながら私自身かなしくなりました。
病院の帰りに、古いジャケットを売って三百円得ました。それで私はコーヒーをのみ、インキと便箋を買い、残りの百円で映画でもみようとにぎやかな街に出ました。とそこに、信二郎の後姿を見ました。三十五六のやせ型の美しい奥さんと一しょです。まっぴるま、学校へは行かないで。私は不安な気持になりました。いつになくズボンの折目をただすために寝押しをしていた昨夜の信二郎の姿を思い出します。私はその後を三十米もつけて歩きましたが、ふと横筋にそれるとそこの袋小路で長い間二人でただつったっておりました。