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Japanische Klassiker mit Furigana

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ドーヴィルものがたり

ドーヴィル物語

岡本 かの子

Lesen Sie ドーヴィル物語 (ドーヴィルものがたり) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.723 Zeichen · 44 Bildschirme

Aozora Bunko

――みんなが極めたんですわ、市長さん始めこのドーヴィルの人達が。

――今日の夕方発つんだってね。彼処で馬を番してるお喋舌の男に聞いたんだ。

――ええ、あの男お喋舌だけど割合いに親切で正直者よ。――で私、急に今朝あなたにお目に掛ろうとしたの。それからモンブラン(白山という馬の名)にも乗り納めのお名残が惜しみ度かったのよ。

彼女は殆ど小田島に寄り添って来た。

――そして、もう調べはついたの?

――ええ、大たい――

彼女は廻りを見廻して小さい声になり

――そろそろ歩き乍ら話しましょう…………フランスの大蔵省が秘密にして居る賭博場からの揚り高の大体の見当がついたわ。もっとも数字は百以上ある賭博場の中の主な九つだけに就いて判っただけだけれど、それだけでも判ればあとの予想はつく訳よ。あなたそれは如何位あると思って? 去年のたった九つだけの賭博場からの揚り高でも総額二億六千万フラン以上よ。

二億六千万フラン! それを日本平価に換算すれば二千万円以上の見当だ。それが九つの賭博場からの揚り高とすれば百以上からの上り高は大したものだ。しかし、彼は今、そんなことに驚いてばかり居る余裕は無い。