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Japanische Klassiker mit Furigana

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ニッケルのぶんちん

ニッケルの文鎮

甲賀 三郎

Lesen Sie ニッケルの文鎮 (ニッケルのぶんちん) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.523 Zeichen · 37 Bildschirme

Aozora Bunko

新聞に出てたでしょう。あそこの主人は清水ってお爺さんで、何とか議員をして上面は立派な紳士なんだけれども、実は卑しい身分から成り上がった成金で、慈悲も人情もない高利貸しなのよ。今じゃもう警察のご厄介になって、おまけに呆けちまって、誰も見向きもしないけれども、ほんとにひどい奴で、先生の亡くなられたのも、つまりあの業突張りの為だわ。そんな欲張り爺だから、手前んとこの郵便函に、聞いた事もない人の通帳が入れてあったのを、普通の人なら気味悪がって届けるものを、昔貸し倒れになったのを返して来たんだろうなんてノコノコ銀行に出かけたんだわ。ところが銀行では盗難の届けの出ていた所だから、たちまち爺さんは警察へ突き出されちゃったの。何べんもいうようだけれど、爺さんは欲張りで、倹約だなんて大金持ちの癖に、いつでも薄汚い身装をしているもんだから、何とか議員だって警察には通じやしないわ。それでとうとう一晩拘留させられたのよ。痛快じゃないこと、ところが泣きっ面に蜂というのは爺さんが警察に宿っている晩に、無電小僧に入られたのよ。この事は新聞に出なかったんだけれども、訳があってあたしは知ってるの。