Japanische Klassiker mit Furigana
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ニッケルのぶんちん
ニッケルの文鎮
甲賀 三郎
Lesen Sie ニッケルの文鎮 (ニッケルのぶんちん) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.523 Zeichen · 37 Bildschirme
ちょっとやって見ましょう』内野さんは机の下を探し回って、太い電線を見つけてつないで、それから先刻の壁のスイッチを押して、ニッケルの文鎮を傍へ持って行くと、パチッと音がして吸いついちゃった。あたし吃驚したわ。
『文鎮が鉄だったら、恐らく下村君は一時間も前に謎を解いたでしょう。純粋のニッケルが磁石に吸引せられる事はちょっと人の知らぬ事です。先生は天井裏にこれを仕掛けて、電流を通じて文鎮を天井に吸いつかせ、次に電流を切ってそれを自分の頸の上へ落としたのです。自殺です。さっきほらあの方の磁石が狂ったでしょう。あの時は偶然検事さんがこのスイッチを押して居られたので、磁石が机の方を指したのです。文鎮は二つ拵えてあってかねて清水さんの指紋を取ってあった方を使ったのです。嫌疑が清水さんにかかるように仕組んであったのは十分なる理由があるように思います。この機械の傍にこの通りもう一本のニッケルの文鎮と、そしてもう一通の先生の遺書がありました』
この遺書は警察宛てだったので、すぐ開けられたの。あたしは検事さんが読んでいる内にハラハラと熱い口惜し涙を流したわ。
『親愛なる警察官諸君。