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Japanische Klassiker mit Furigana

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ニッケルのぶんちん

ニッケルの文鎮

甲賀 三郎

Lesen Sie ニッケルの文鎮 (ニッケルのぶんちん) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.523 Zeichen · 37 Bildschirme

Aozora Bunko

で、ある日、無電小僧は古田に清水の偽手紙を書いて、先生の書斎の本箱の中に最後の分が隠してあるから、奪って来いといったのです。そうして置いて彼はそっと診察所の窓を開くようにして置いたのです。古田が来れば捕らえて、脅して原稿を吐き出させるつもりだったのです。ところが幸か不幸か、その晩ある人の術策によって、紅茶の中に麻酔剤を入れられて、前後不覚に寝かされてしまったのです。

先生はあの晩に清水を誘き寄せて、話の最中に、電灯のスイッチを切って、部屋を真っ暗にすると共に、例の清水の指紋のついている文鎮を自分の頸に落として自殺を遂げる。清水があわてて逃げ出す拍子に私達に捕まる。とこういう計画だったらしいのです。ところが清水は来なかったのですから、無電小僧が起きてマゴマゴしようものなら、反ってひどい眼にあったかも知れなかったのです。紅茶を飲んだのはあるいは幸いだったかも知れません。

先生は古田が忍び込んで来たのをご存じだったのでしょう、思う存分探させて置いて、彼が出て行くのを見届けてからあの巧妙な自殺を遂げられたのです。私はあの日、内野君の頭脳には感服しました。