Japanische Klassiker mit Furigana
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ニュー・ヨーク 『せいしゅんのじがぞう』より
ニュー・ヨーク 『青春の自画像』より
前田河 広一郎
Lesen Sie ニュー・ヨーク 『青春の自画像』より (ニュー・ヨーク 『せいしゅんのじがぞう』より) von 前田河 広一郎 (まえだこうひろいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.334 Zeichen · 13 Bildschirme
三沢は、糠パンを歯で食いちぎりながら、恐ろしそうにウィスキーの行方を見まもっていた。
『幾何代数の先生にしちゃア、なかなか活溌だね、木元君は。』
『活溌、すなわち乱暴か。そうさ。俺の叔父が満鉄の理事をやっているんで、学校をやめてから使ってくれっと云って、満洲まで行ったんだが、本社へ出勤して三日とたたぬのに、課長の何とかいう奴に、鉄拳を喰らわせて飛び出した俺だからな。』
木元は、しきりにウィスキー臭い息を吐き散らした。一コワーツの罎が、あらかたなくなっていた。ニュー・ヨークというところは、私にとっては、全く意外な都会である。面白い。が、すこし迷惑でもある。こうやって、いつまでも、のんべんだらりと、酔払いのあいてをさせられてはたまらない。木元は、まだ、そのつづきがあるぞとばかり、満洲の話をする。
『――それで叔父きの奴は、貴様はとても内地や支那にはむかない、よし、俺が手続をしてやるからアメリカへ行けと云うんだ。はじめは、南米と云ったな。でも、南米じゃあまりひどかろうと云うのでね、とうとう北米合衆国へやって御出なすったのサ。』
『木元君の云うことは、法螺が九〇パーセントとしても、現に実物の君がここにいるんだからな。