Japanische Klassiker mit Furigana
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ネオンよこちょうさつじんじけん
ネオン横丁殺人事件
海野 十三
Lesen Sie ネオン横丁殺人事件 (ネオンよこちょうさつじんじけん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.095 Zeichen · 26 Bildschirme
それから例の怪音は、どの家から発したのだろう。どこかそのあたりに、今にも屍の匂いがプーンとして来そうに思われた。
彼は怪音の出所を、ネオン横丁と断定した。それでその横丁にとびこむと、向うの端まで家並を、ザッと一と通り睨みながら、通りぬけたが、入口の扉や、窓などが開いている家は一軒もなかった。
(こいつは間違ったかな)
そう思いながら、こんどは両側の窓下と戸口を一々丁寧に見てゆくことにした。彼の身躾みの一つであるポケット・ランプをパッと點けると、まずネオン横丁の入口に最も近いカフェ・オソメの前に跼んで戸口の前や、ステンド・グラスの入った窓枠などを照し、なにか異常はないかとさがしたが、そこには血潮も垂れていなければ、泥靴の生々しい痕もない。扉は押してもビクとも動かなかった。ではこのカフェ・オソメも大丈夫であろう。こんな風に、隣りから隣りのカフェへと、表口を一々しらべていった。だが、何処にも異状が見当らなかったのだった。
「人殺しィ。うわぁ、誰かきて……」
イキナリ帆村の頭の上で、婦人の金切声があった。それは丁度、四軒目のカフェ・アルゴンの前だった。悲鳴は、その三階と覚しいあたりから発したようだった。