Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ノンシャランどうちゅうき

ノンシャラン道中記

久生 十蘭

Lesen Sie ノンシャラン道中記 (ノンシャランどうちゅうき) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.137 Zeichen · 26 Bildschirme

Aozora Bunko

ってのを一目見ないうちは帰らないつもりよ。さ、早く鞄を持ちたまえ、屋内へ入りましょう。ぐずぐずしないで!」と、早や小走りに歩き出す。

コン吉はせんかた泣く泣く、大きな帽子箱と鞄とラケットを両手にさげ、とぼとぼとタヌのあとについて荘館の横手に廻ってみると、大公におかせられては、いまや、欅の大掛矢を振い勝手口の階段の横について、石炭を汲み入れる二尺四方ほどの鉄扉に対して大破壊を行なっている様子。

やがて、鉄扉は長らくの打撃にたえかねたとみえ、ぐゎらりと内部に落ち込んだ。様子見澄ました公爵は、おもむろにハンカチで指をぬぐってから、コン吉に、

「さ、どうぞお入り」と挨拶した。

コン吉が恐る恐る暗い孔の中を覗いてみると、はるか七八尺も底の方に、硝子の破片のように尖ったものすごい塊炭が、ぞろりの牙をむいているのが見えたから、

「いいえどうぞ、ご主人から」と、懸命に辞退した。

「ご遠慮も時によりましょう。まずまずお通り下さい」

「でも、なんですか、この穴は少しちいさ過ぎると思うんですけど。……それに、多少不潔でもありますし……」

公爵は爪をかんで、しばらくコン吉の顔をみつめていたがやがて、