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Japanische Klassiker mit Furigana

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バラックきょじゅうしゃへのことば

バラック居住者への言葉

豊島 与志雄

Lesen Sie バラック居住者への言葉 (バラックきょじゅうしゃへのことば) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.021 Zeichen · 9 Bildschirme

Aozora Bunko

家庭の神――それが本当の家庭の心である。バラックに住む諸君は、家庭の神に跪拝するの心地を、味い得たことであろう。

家庭を愛するの心は、他の博い愛の基をなすものである。神に奉仕せんがために己の家庭を捨てる、そういう生活様式も世にあることを、私は否定するものではない。然しながら、吾々及び諸君の生活様式では、家庭を捨てることは、他のあらゆる愛を捨てることになる。自分の家族よりもより多く隣人を愛するという者を、私は信ずることが出来ない。より多く自分の家庭を愛する者こそ、より多く隣人を愛するものである。愛という言葉の誤解を防がんがために、これを云い換えれば、自分の家族のことを本当によく考える者こそ、隣人のことを本当によく考える者である。

バラックの諸君よ、家庭というものを本当によく感じ味い考え給え。

それから、諸君の眼に映じた第二のものは、仕事というものだったに違いない。

住宅や家財や業務の便宜などを失って、バラック内に茫然としている諸君の心に、先ず猛然と起ってきたものは、何かを為したいという心、何かを為さずにはいられないという心、即ち働く意志だったであろう。