Japanische Klassiker mit Furigana
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バラックきょじゅうしゃへのことば
バラック居住者への言葉
豊島 与志雄
Lesen Sie バラック居住者への言葉 (バラックきょじゅうしゃへのことば) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.021 Zeichen · 9 Bildschirme
そこに人間の生活の力と光とがある。
バラックの諸君よ、仕事というものを本当によく感じ味い考え給え。
さて改めて、バラックに住む人々よ、諸君がバラックの困難な生活に於て、自分の家庭と仕事という二つを、しみじみと眼に止めたならば、諸君の生活は必ずや新らしい光に輝らされるに違いない。そして諸君の生は、強固な基礎の上に力強く築かれるに違いない。それは尊い経験である。日常生活では容易に得難い体験である。この経験を諸君がいつまでも忘れないようにと、私は切に祈りたい。諸君がそれをしかと胸に抱いてる間は、諸君の生活は常に――たとえ困苦の中にあっても――輝かしいものであるだろう。
とは云え、バラックの生活が如何に悲惨であるかは、私にもほぼ想像はつく。殊には向寒の砌り、薄っぺらな屋根と四壁と低い床との中の寒気、昼の日当りと夜の点灯との不完全、仮りの住居という意識から来る不安、調度の不備と衛生法の困難、慰安や休息の欠乏、其他万事局限せられた不如意、それらのことから、諸君の生活に如何に陰欝な影がさしてくるかは、想像にも余りあるほどであろう。とりわけ自分一個のバラックでなしに、市設の長屋式バラックの或るものに於ては、隣家との仕切の板壁もなく、張られた縄一筋を境界とするそうである。