Japanische Klassiker mit Furigana
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パルチザン・ウォルコフ
パルチザン・ウォルコフ
黒島 伝治
Lesen Sie パルチザン・ウォルコフ von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.366 Zeichen · 31 Bildschirme
左翼の疎らな森のはずれには、栗本の属している一隊が進んでいた。兵士達は、「止れ!」の号令がきこえてくると、銃をかたわらに投げ出して草に鼻をつけて匂いをかいだり、土の中へ剣身を突きこんで錆を落したりした。
その剣は、豚を突殺すのに使ったり、素裸体に羽毛をむしり取った鵞鳥の胸をたち割るのに使って錆させたのだ。血に染った剣はふいても、ふいてもすぐ錆が来た。それを彼等は、土でこすって研ぐのだった。
栗本は剣身の歪んだ剣を持っていた。彼は銃に着剣して人間を突き殺したことがある。その時、剣が曲ったのだ。突かれた男は、急所を殴られて一ッぺんに参る犬のようにふらふらッとななめ横にぴりぴり手足を慄わしながら倒れてしまった。突きこんだ剣はすぐ、さっと引きぬかねば生きている肉体と血液が喰いついてぬけなくなることを彼はきいていた。が、それを思い出したのは、相手が倒れて暫らくしてからだった。彼は、人を殺したような気がしなかった。彼は、人を一人殺すのは容易に出来得ることではないと思っていた。が実際は、何のヘンテツもない土の中へ剣を突きこむのと同じようなことだった。銃のさきについていた剣は一と息に茶色のちぢれひげを持っている相手の汚れた服地と襦袢を通して胸の中へ這入ってしまった。