Japanische Klassiker mit Furigana
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ピンカンウーリのアマ
ピンカンウーリの阿媽
豊島 与志雄
Lesen Sie ピンカンウーリの阿媽 (ピンカンウーリのアマ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.499 Zeichen · 7 Bildschirme
この阿媽さん、年齢は四十過ぎだが、まだみずみずしい美人だった。青い支那服を着、しなやかな黒髪を小さく束ね、纒足にちっちゃな沓をつっかけてる、古風な身なりだが、半月形の眉、澄みきった黒目、餅のような頬の肉付、小さな口のつややかな唇、すんなりした両手の指、微妙な曲線をゆるがせる腰……そのすぐれた容色は、如何なる名妓を持って来ても足許にも及ばない。
私はしばしば、彼女のところへ酒を飲みに行った。他の階のことは知らないが、その最上階では、客は芸妓を相手に、茶をすすり水瓜の種をかじりながら、ただ取り留めもない話で時間をつぶすのだった。
阿媽さんが客の前に出ることは殆んどなかった。然し、私はそこの阿媽さんと懇意になった。二人の芸妓が宴席に出かけてることが多かったせいもある。それよりも、この土地のラオチュウはたいてい即墨の地酒だが、彼女が特別に紹興の本場物の上等品を手に入れてくれたからである。それを錫の銚子に燗をして、彼女は隣室から持って来、十分間ばかり私の相手をし、そしてまた隣室に引っ込んでしまう。
私は手酌で飲み、ぼんやり時間をすごし、酒がなくなれば彼女に声をかける。