Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かぜのまたさぶろう

ポラーノの広場

宮沢 賢治

Lesen Sie ポラーノの広場 (かぜのまたさぶろう) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 67.062 Zeichen · 135 Bildschirme

Aozora Bunko

耕一はとうとう泣き出してしまいました。

すると丁度それと一緒に向うではあはあ笑う声がしたのです。びっくりしてそちらを見ましたらそいつは、そいつは風の又三郎でした。ガラスのマントも雫でいっぱい髪の毛もぬれて束になり赤い顔からは湯気さえ立てながらはあはあはあはあふいごのように笑っていました。

耕一はあたりがきぃんと鳴るように思ったくらい怒ってしまいました。

「何為ぁ、ひとの傘ぶっかして。」

又三郎はいよいよひどく笑ってまるでそこら中ころげるようにしました。

耕一はもうこらえ切れなくなって持っていた傘をいきなり又三郎に投げつけてそれから泣きながら組み付いて行きました。

すると又三郎はすばやくガラスマントをひろげて飛びあがってしまいました。もうどこへ行ったか見えないのです。

耕一はまだ泣いてそらを見上げました。そしてしばらく口惜しさにしくしく泣いていましたがやっとあきらめてその壊れた傘も持たずうちへ帰ってしまいました。そして縁側から入ろうとしてふと見ましたらさっきの傘がひろげて干してあるのです。照井耕一という名もちゃんと書いてありましたし、さっきはなれた処もすっかりくっつききれた糸も外の糸でつないでありました。