Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かぜのまたさぶろう

ポラーノの広場

宮沢 賢治

Lesen Sie ポラーノの広場 (かぜのまたさぶろう) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 67.062 Zeichen · 135 Bildschirme

Aozora Bunko

先生はそれを別段気にかけるでもないらしく、コクッと呑んでしまって云いました。

「よろしい。ノートは大へんによく出来ている。そんなら問題を答えなさい。煙突から出るけむりには何種類あるか。」

「四種類あります。もしその種類を申しますならば、黒、白、青、無色です。」

「うん。無色の煙に気がついた所は、実にどうも偉い。そんなら形はどうであるか。」

「風のない時はたての棒、風の強い時は横の棒、その他はみみずなどの形。あまり煙の少ない時はコルク抜きのようにもなります。」

「よろしい。お前は今日の試験では一等だ。何か望みがあるなら云いなさい。」

「書記になりたいのです。」

「そうか。よろしい。わしの名刺に向うの番地を書いてやるから、そこへすぐ今夜行きなさい。」

ネネムは名刺を呉れるかと思って待っていますと、博士はいきなり白墨をとり直してネネムの胸に、「セム二十二号。」と書きました。

ネネムはよろこんで叮寧におじぎをして先生の処から一足退きますと先生が低く、

「もう藁のオムレツが出来あがった頃だな。」と呟やいてテーブルの上にあった革のカバンに白墨のかけらや講義の原稿やらを、みんな一緒に投げ込んで、小脇にかかえ、さっき顔を出した窓からホイッと向うの向うの黒い家をめがけて飛び出しました。