Japanische Klassiker mit Furigana
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マクシム・ゴーリキイのでんき
マクシム・ゴーリキイの伝記
宮本 百合子
Lesen Sie マクシム・ゴーリキイの伝記 (マクシム・ゴーリキイのでんき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 60.543 Zeichen · 120 Bildschirme
ロマーシは、棒をもって駈けつけて来たゴーリキイに云った。
「奴等は俺が風呂場へ商品を隠して自分で店に火をつけたんだと云うんだ」
「お前えら二人がよ!」
「壊せ!」
「正教徒が……」
「責任は負う!」
「俺達の責……」
ロマーシは囁いた。
「俺の背を合わせて立って呉れ! 後から殴られないように……」
風呂場は、勿論空なのであった。
「何んもない!」
「何も?」
「ああ、畜生!」
「よせばいいのに、百姓達は――」
いくつかの声がそれに答えて、劇しく酔いどれのように、
「何が――よせばいいのにだ?」
「火にくべろ!」
「謀反人……」
「組合をたくらんでやがる!」
「黙れ!」
大声でロマーシが叫んだ。
「どうだ。風呂場に商品のかくされていないことは見ただろう。それ以上、何が必要なんだ? 何も彼も焼けてしまった。残ったのは、それ、この通りだ。自分の財産に火をつけて何になるんだ!」
「保険がついているんだ!」
「奴等を眺めていてどうするんだ?」
見知らぬ、小さい、跛の百姓が、聞えるように踊りながら、劇しく金切声をあげた。
「煉瓦で奴等をやっちまえ! 遠慮するな!」
その百姓は実際に煉瓦をとって、手を振って、それをゴーリキイの腹へ投げつけた。