Japanische Klassiker mit Furigana
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マクシム・ゴーリキイのでんき
マクシム・ゴーリキイの伝記
宮本 百合子
Lesen Sie マクシム・ゴーリキイの伝記 (マクシム・ゴーリキイのでんき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 60.543 Zeichen · 120 Bildschirme
それはフランスの通俗小説であった。主人達の目を掠めて、頬骨の高い、鼻の低いおでこに青痣のついた小僧ゴーリキイは皆の留守の間に、或は夜、窓際で月の光で読もうとした。活字がこまかすぎて、明るい月の光も役に立たぬ。そこで棚の上から銅鍋をもち出し、月の光をそれに反射させて読む工夫をした。これは却っていけないので、ゴーリキイは台処の隅の聖像の下へ突立ったまま、燈明の光で読んだ。この頁では歓喜し、次の頁で憤激しつつ読むうちに疲れが出て、床にころげたまま寝込んでしまった。眼がさめて見ると、鬼のマトリョーナ婆が怒鳴っている。落ちていた大切な借り物の黄色い本でゴーリキイの肩をどやしつけ、飯の時は家じゅうが、主人迄も、読書の有害無益と危険とを説教した。
「鉄道を破壊したり、人殺しを企てたりするのも本を読んだ男だ」
こういう家の大人共の態度によって、ゴーリキイは本というものに対し、一層重大な秘密な価値を感じるようになった。ゴーリキイは、教会の懺悔僧に「禁止の本は読まなかったかね」と訊かれたことを思い出した。スムールイが大きな腹をゆすりながら「正しい書物に出くわさなけりゃならねえ」