Japanische Klassiker mit Furigana
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モスクワにっきから
モスクワ日記から
宮本 百合子
Lesen Sie モスクワ日記から (モスクワにっきから) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.232 Zeichen · 11 Bildschirme
乳車と女とはどのベンチにも沢山いる。
日本も子供が多いが、何とモスクワも子供がどっさりいるんだろう!
並木道をもう三年間も歩くのだが、いつも自分の心に新しい感動がある。それはこれだけの子供が、ソヴェトの社会、合理的な社会主義の社会では、だれ一人として社会の保護なしに偶然には生れて来ないということだ。
一人一人の赤坊が、母の腹にやどった時から、生きて育ってゆく権利によって生まれている。
こうやってスヤスヤその上で眠っている乳母車にしろ、着ている小さいケットにしろ、わきで楽しそうに赤坊の繕いものをしているいろいろな年頃の母親の自由な、経済的に保証された時間にしろ、みんな個人がただ金の力ずくでとったものではない。職業組合やソヴェト保健省が、つまり解放されたプロレタリアート自身が、社会連帯によって強く次の時代を保護しているのだ。
九月×日。
電車の窓から一生懸命街の様子をのぞいて行く。というのは、別に珍しいものがあるわけではない。電車をどこで降りていいのか、その見当を見覚えのある工場の塀でつけようというわけだ。
(モスクワの電車は、乗る時はきっと後部からだ。