Japanische Klassiker mit Furigana
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レモンのはなのさくおかへ
レモンの花の咲く丘へ
国枝 史郎
Lesen Sie レモンの花の咲く丘へ (レモンのはなのさくおかへ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.016 Zeichen · 142 Bildschirme
近隣の人々は、あの小城の下の海には、つがいの鴛鴦がいつも浮いていると云いふらしましたくらい。――二人がよく小舟を浮かべて、小城の下の静かな海で漕ぎ廻ったからでござります。(間)母はまるで白い人魚のように見えました。で誰云うとなく人々は、母のことを人魚人魚と申しましたが、母もしまいには、自分ながら、自分を人魚だと申しておりました。(間)人魚はよく歌いました。歌った歌は、「死に行く人魚」の歌と云って、憐れっぽい歌でござりました。その歌の大体の意味はこう云うのでござります。――海の都に人魚の姫が住んでおりました。或る日の夕暮に、ふと海の面へ浮かびますと、一つの赤い帆の舟が直ぐ手前に浮いておりました。舟の船首には一人の美しい公子がおりまして、人魚に笑いかけ、そして手に持っていた銀の竪琴をかき鳴らし、誘惑の歌を歌ったのでござります。歌声が人魚に聞こえた時、人魚は海の都を忘れ果て、その公子を慕うようになったのでござります。(間)人魚は公子の乗っている舟を追いました。(間)舟は次第次第に地平線の方へ辷って行きまする。公子はその舟の船首で声高々と誘惑の歌を歌います。