Japanische Klassiker mit Furigana
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ワルシャワのメーデー
ワルシャワのメーデー
宮本 百合子
Lesen Sie ワルシャワのメーデー von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.621 Zeichen · 10 Bildschirme
並木がある。下にベンチがある。傘をささない男が一人ノロノロ雨の中をやってきて、そのベンチに腰をかけた。ベンチはもちろんずぶぬれだ。男はややしばらく腰をかけていたが、また先へ歩き出した。
雨はひどくなってアスファルトの上へ雨あしをはじいている。賑やかな街の灯は高い家々の間から公園の向う、男が歩いて行った方とは逆の方に輝いている。
明日はメーデーだ。
ポーランドのメーデーはどんな風だろうか、わたしたちはその前年の五月一日にモスクワのメーデーをみた。
夕飯をたべてから、わたしたちはホテルの帳場へ行った。金モールのおしきせをきた男が、帳場の中に立っている。その男に聞いた。
「明日、メーデーのデモンストレーションはどこであるか知っていますか」
金モールのおしきせは丁寧な調子で、
「興味をお持ちなんですか」
と、云った。
「ええ、是非みたい」
「きけんです」
「どうして?」
「だってあんた、メーデーなんかに行列する奴はみんな社会主義ですぜ。泥棒だの、かたりだのだ。いつだって行列が無事にすんだことはないんです。怪我人があったり、人殺しがあったりします」
まあそういうこともあるだろう、けれども、それは行列に立った労働者たちが自発的にやるメーデーの余興ではないのだ。