Japanische Klassiker mit Furigana
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ウィタ・セクスアリス
ヰタ・セクスアリス
Lesen Sie ヰタ・セクスアリス (ウィタ・セクスアリス) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 58.941 Zeichen · 119 Bildschirme
古賀が笑って行こうと云う。僕は不精々々に同意した。
僕等は大門の外で車を下りる。三枝が先に立ってぶらぶら歩く。何町か知らないが、狭い横町に曲る。どの家の格子にも女が出ていて、外に立っている男と話をしている。小格子というのであろう。男は大抵絆纒着である。三枝はその一人を見て、「好い男だなあ」と云った。いなせとでも云うような男である。三枝の理想の好男子は絆纒着のうちにあると見える。三枝は、「一寸失敬」と云うかと思えば、小さい四辻に担荷を卸して、豆を煎っている爺さんの処へ行って、弾豆を一袋買って袂に入れる。それから少し歩くうちに、古賀と僕とを顧みて、「ここだ」と云って、ついと或店にはいる。馴染の家と見える。
二階へ通る。三枝が、例の伸屈の敏捷な男と、弾豆を撮んで食いながら話をする。暫くして僕は鼻を衝くような狭い部屋に案内せられる。ランプと烟草盆とが置いてある。煎餅布団が布いてある。僕は坐布団がないから、為方なしにその煎餅布団の真中に胡坐をかく。紙巻烟草に火を附けて呑んでいる。裏の方の障子が開く。女が這入る。色の真蒼な、人の好さそうな年増である。笑いながら女が云う。