Japanische Klassiker mit Furigana
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ひとつのあいじょう
一つの愛情
豊島 与志雄
Lesen Sie 一つの愛情 (ひとつのあいじょう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.635 Zeichen · 22 Bildschirme
この気持ちは、吉岡には初めてのことだった。彼女の手紙のような調子の手紙を受け取るのも初めてのことだった。嘗て知らない魅惑を受けた。うらぶれた気持ちに沈んでいた彼が、未知の紀美子に愛情を懐いたのである。
紀美子からはしばしば手紙が来た。それらを一々茲に持ち出すのは大変だから、特色ある文句だけを拾ってみよう。
御旅行先から頂きました御手紙、ゆめのようにうれしくて泣きました。ぼんやり野面を眺めながら、このまま霧のように消えてしまいたいと思いました。
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けさはずいぶん早く目がさめて、夜が明けるまでじっと雨の音をきいておりました。とりとめもないこと考えていましたら、また自分のことがわけがわからなくなって、悲しさで胸が一杯になりました。
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私はこのあいだから、ちょっとお琴のお師匠さんになりました。
ある人が、お琴や三味線でも教えたら、少しは気も晴れようと言って、お弟子を五人作ってくれました。何だかきまりわるい変な気が致します。
それから、梨を一箱、運送店からお送り申上げました。十四五日もかかるとのこと、そして完全に着くとは受合いかねると、頼りないこと申しました。