Japanische Klassiker mit Furigana
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いちしょうにんとして
一商人として
相馬 愛蔵
Lesen Sie 一商人として (いちしょうにんとして) von 相馬 愛蔵 (そうまあいぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.895 Zeichen · 222 Bildschirme
しかし百円の家賃で一日百円に近い売上げがあれば店は充分に成り立ち、さらに同じ家賃で売上げが少しずつでも向上して行くようになれば大いに有望で、もしその売上げが二百円にも達するならば、家賃の負担は著しく軽減して、僅かに売上高の一分七厘にすぎなくなり、それだけ商品を勉強することが出来て、その店はますます発展することになるのである。
さて心得ねばならぬのは、店がどれほど繁昌するようになった後もこの原則は変らぬことである。繁昌するからといって店を壮大に拡張し、いわゆる家賃の負担が重くなれば、それはただちに商品に影響し、したがって店は下り坂となるであろう。すなわち改築の要迫るといわれる中村屋は、いまこの自戒すべき時に立っているのである。
顧みれば三十七年間、我が中村屋の過去いろいろの時代について、売上げと家賃の大略をあげてみると、本郷時代の中村屋は間口三間半で家賃十三円であった。それで売上げは店売およそ八円で、配達と卸売りで五円、合計十三円でちょうど家賃と同格、新宿移転時は間口四間で家賃二十八円、売上げは一日二十五円ないし三十円であった。
新宿移転後一年で現在の場所に移り、初めて自分の家を持ったが、間口五間、奥行二間半(十二坪半)、同時に日本菓子の製造を始めたので、売上げは一躍して七十円に上った。