Japanische Klassiker mit Furigana
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ひとつぼかん
一坪館
海野 十三
Lesen Sie 一坪館 (ひとつぼかん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.902 Zeichen · 56 Bildschirme
こんなにおたがいに焼けちまい、みじめになっているのに、このうえけんかをしてどうなるだろうか。仲よくしなければならないんだ。たすけあわなければならないんだ。笑顔でいかなければならないんだ。
「あははは、おかしいねえ」と、源一は、気をかえて笑った。
「あれッ。自分でおかしいといっているよ、この小僧は……」
「誰も買わなきゃ、あんちゃんたち、買ってくださいよ」
「しんぞうだよ、この虻小僧は。みそ汁で顔を洗って出直せ」
「ああ、みそ汁がほしい」
「そらみろ。だからよ、食いものはみな買いたくなるんだ。花はだめだ。店をひらくだけ損だよ」
「でも、ぼくはれんげ草を売るです。だんぜん売ってみせるです」
「ごうじょうだよ、お前は……」
「バカだよ、きさまは……」
「損だよ。今に泣き出すだろうよ」
三人の若者は、てんでんにいいたい言葉を源一にはきかけると、そこを立ち去った。源一が見ていると、三人は自転車につんで来た荷物を開いて、本通りに店をひろげた。
「さあ、おいしい芋だ。ほし芋だ」
「ふかし芋もある。いらっしゃい、いらっしゃい」
「腹がへってはしょうがない。さあお買いなさい、あまいあまいほし芋だ」