Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いっか

一家

中野 鈴子

Lesen Sie 一家 (いっか) von 中野 鈴子 (なかのすずこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 925 Zeichen · 2 Bildschirme

Aozora Bunko

まん中の娘は、おとなしく美しかったが

肺をこわし 死んだ赤ん坊のあとを追った

二番目の息子が再び捕まった

こん度は父母はただかなしまなかった

決心の色をあらわし村人の白眼の中で田圃を打った

新しい別なのぞみが培われていた

いま次男と長女はそのまま帰らず

長男となかの娘は村の墓穴

小地主のあととりに嫁いだ末娘は封建的重みと生活の不安定のなかに円い体が痩せおどおどしている

門の柱はくさり 倉の壁はくずれる

仏壇の中でネズミがあばれまわる

肥っていた父の皮膚はたるみシミがふえている

目の光りは消え 歩く足下がふらつく

母のおとがいがとがり 髪がちぎれ

しゃべる言葉はみな泣き声と変らぬ

日々 借金の利上げに追われ

年々 思いがけぬ不幸が形を変えてあらわれる

ひさしの深い納屋の奥に

父母はだんだんおとろえてゆく

彼らはおとろえる

だがいま おとろえる体内に新しい考えがつよまってゆく

息子、娘の上に期待をつなぐ

薄くなった目を見開いた老いの身をふりかざしている