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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぼくのぼうしのおはなし

一房の葡萄 他四篇

有島 武郎

Lesen Sie 一房の葡萄 他四篇 (ぼくのぼうしのおはなし) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.712 Zeichen · 39 Bildschirme

Aozora Bunko

僕は気味が悪くなって来た。八っちゃんが急に怖わい病気になったんだと思い出した。僕は大きな声で、

「婆や……婆や……八っちゃんが病気になったよう」

と怒鳴ってしまった。そうしたら婆やはすぐ自分のお尻の方をふり向いたが、八っちゃんの肩に手をかけて自分の方に向けて、急に慌てて後から八っちゃんを抱いて、

「あら八っちゃんどうしたんです。口をあけて御覧なさい。口をですよ。こっちを、明い方を向いて……ああ碁石を呑んだじゃないの」

というと、握り拳をかためて、八っちゃんの脊中を続けさまにたたきつけた。

「さあ、かーっといってお吐きなさい……それもう一度……どうしようねえ……八っちゃん、吐くんですよう」

婆やは八っちゃんをかっきり膝の上に抱き上げてまた脊中をたたいた。僕はいつ来たとも知らぬ中に婆やの側に来て立ったままで八っちゃんの顔を見下していた。八っちゃんの顔は血が出るほど紅くなっていた。婆やはどもりながら、

「兄さんあなた、早くいって水を一杯……」

僕は皆まで聞かずに縁側に飛び出して台所の方に駈けて行った。水を飲ませさえすれば八っちゃんの病気はなおるにちがいないと思った。