Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いっぽんのかきのき

一本のかきの木

小川 未明

Lesen Sie 一本のかきの木 (いっぽんのかきのき) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 2.469 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

わしは、人家を見ると、急に、からすを追うことをあきらめて、山の方へ引きかえしてしまいました。からすは、ようようのことで、命は助かりましたけれど、翼は傷ついて、体は、うえと寒さのために、綿のように疲れて、木の枝にしっかり止まっているだけの気力もなくなってしまいました。気がゆるんで、そのままばたりと、からすは、下の真っ白な雪の上に転がり落ちてしまったのです。

この村の少年が、ちょうど、そのとき、森へ枯れた枝を拾いにきました。そしてこのからすを見つけました。

「かわいそうに、羽がたいへんに傷んでいる。なにかに追われて逃げてきたのか、それとも、病気なのだろう。」と、少年は、からすのそばに寄ってきて、羽をなでながらいいました。少年は家に引きかえして、まだつきたての柔らかいもちを持ってきて、小さく幾つにもちぎって、それをからすに与えました。

からすは、それを食べると元気づきました。そして、少年が枯れ枝を集めて家へ帰る時分には、もう、からすはどこかへ飛び去ってしまった後でありました。

からすは、少年の恩に深く感じました。その冬も無事に過ぎて、あくる年になりますと、ある日、少年は庭でからすがしきりに鳴くのを聞きました。