Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

いっぽんのはな

一本の花

宮本 百合子

Lesen Sie 一本の花 (いっぽんのはな) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.709 Zeichen · 55 Bildschirme

Aozora Bunko

「それも、もう十月の辛抱でしょう!」

顎をひき、上眼を使うようにして合点したが、富貴子は急に顔を耀かせ、

「そりゃそうと、あなたの方、どうなのよその後」

と云った。

「何が」

「いやなひと! 相変らず?」

「相変らずよ」

「――うそ!」

「どうして? 私はあなたと違って正直に生れついているのよ」

「だって……ああ、じゃあ、そうなの、やっぱりあなたは偉いわね」

およそその意味が想像され、朝子はぼんやり苦笑を浮べた。すると、云った方の当人が、今度はそれを感違いし、意外らしく、胸まで卓子の上へのり出して、逆に、

「――そう?――大道無門?」

と小声で念を押しなおした。

朝子はそうなると、なお笑うだけで、パイをたべていたが、

「モダンだって幾通りもあるんじゃないの――少し話は違うけれど」

と云った。

全く、個人的に自己消耗だけ華々しく或は苦々しくやって満足している部と、それが一人から一人へ伝わり、或る程度まで一般となった現代の消耗が身に徹えて徹えてやり切れず、何か確乎とした、何か新しいものを見出さなくてはやり切れながっている人たちもきっとある。朝子は自分の苦痛として、それを感じているのであった。