Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ひとあしおさきに
一足お先に
夢野 久作
Lesen Sie 一足お先に (ひとあしおさきに) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.200 Zeichen · 79 Bildschirme
「駄目よ。トテモ。妾達でさえ這入れないんですもの………。あの室に這入れるのは副院長さんだけよ」
「何だってソンナに用心するんだろう」
「それがね……それが泥棒の用心らしいから癪に障るじゃないの。威張っているだけでも沢山なのにサア」
「ウ――ム。シコタマ持ち込んでいるんだな」
「そうよ。何しろ旅支度のまんまで入院したんだから、宝石だけでも大変なもんですってサア」
「そんな物あ病院の金庫に入れとけあいいのに……」
「それがね。あの歌原未亡人っていうのは、日本でも指折りの宝石キチガイでね。世界でも珍らしい上等のダイヤを、幾個も仕舞い込んだ革のサックを、誰にもわからないように肌身に着けて持っているんですってさあ」
「厄介な道楽だナ。しかし、そんなものを持っている事がどうしてわかったんだ」
「それがトテモ面白いのよ。誰でも全身麻酔にかかると、飛んでもない秘密をペラペラ喋舌るもの………っていう事を歌原未亡人は誰からか聞いて知っていたんでしょう。副院長さんが、それでは全身麻酔に致しますよって云うと直ぐにね。懐の奥の方から小さな革のサックを出して、これを済みませんが貴方の手で、病院の金庫に入れといて下さいって云ったのよ。