Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おもと

万年青

矢田 津世子

Lesen Sie 万年青 (おもと) von 矢田 津世子 (やだつせこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.043 Zeichen · 13 Bildschirme

Aozora Bunko

福子は笑い上戸で通っていた。睫毛のふかいパッチリと見開いた丸っこい眼が、みるみる三日月になってクツクツと笑いだす。そばにいるものまで、つい、つりこまれて笑い出す始末だった。

「まあ、福子さんたら、何がそんなに可笑しいの?」

つりこまれて一緒に笑い出した友だちが、しまいにはおなかを痛くして、わけもなしに肚を立てて、こう恨みがましく福子を責めることさえあった。

笑うまいと力んで口を固く結んでいても、しぜん、ほぐれて、笑い出してしまう。生れつき、笑いの神様がちゃんと胸の中に鎮座していらっしゃるのだと、福子自身は諦めている。神様の居催促にあっては叶わない、笑わないわけにもいかないと、こっそり自分に言い訳を云ったりした。

「福子が笑うのは、一種の運動なんだね。」

良人だけは、こんな云い方をした。そして、いかにも若い男らしい興味深そうな眼つきで、福子の顔をまじまじと眺めるのだった。

「いやよ。研究資料みたい。」

福子は笑いながら、ぷいと顔をそむける。

「はあ、やっぱり、運動だね。顔面筋肉の活動。内臓の躍動。」

良人は独りで感心して、「腹が減るのも無理がないね。とても節米にはなるまい。