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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんりょうせいべえとめいばあさづき

三両清兵衛と名馬朝月

安藤 盛

Lesen Sie 三両清兵衛と名馬朝月 (さんりょうせいべえとめいばあさづき) von 安藤 盛 (あんどうさかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.144 Zeichen · 17 Bildschirme

Aozora Bunko

「朝月だ」

「清兵衛をくわえているぞ」

「おい、しっかりしろ、清兵衛」

城兵たちは、朝月の口から清兵衛を受け取って、かいほうした。一方では血にまみれた朝月のからだを、ふきとってやる者もあった。朝月は五ヵ所ばかり傷をうけていたが、ただ、清兵衛ばかり気づかいらしく、じっと見ていた。

「う、うーむ」

と、清兵衛は、やがて息をふき返したが、まだ、目はかすんでいたので、そこに朝月のいるのが見えなかった。

「おのおの、かたじけない――だが、朝……朝月はどうなったろう、朝月は――」

「無事だ、ここにいる」

城兵たちは、朝月をそこへひきよせていった。

「おお、朝月」

清兵衛は起きようとすると、朝月は前肢を折って、近々と顔をおしつけるようにした。清兵衛は、その首にとりすがった。この光景を見た城兵たちは、胸をしめつけられて声もなかった。この朝月が、主人清兵衛をくわえて帰ったことをきいた宍戸備前守は、そこへあらわれて、

「朝月は稀代の名馬だ。よくぞ働いてくれた」

と、たいせつな糒をひとにぎり、朝月の口へ入れてやった。ところへ、清兵衛の討ち取った、明兵の馬と着ていた鎧をかついで、味方は引きあげてきた。