Japanische Klassiker mit Furigana
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さんりょうせいべえとめいばあさづき
三両清兵衛と名馬朝月
安藤 盛
Lesen Sie 三両清兵衛と名馬朝月 (さんりょうせいべえとめいばあさづき) von 安藤 盛 (あんどうさかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.144 Zeichen · 17 Bildschirme
「朝月もやってしまおう」
ある夜、清兵衛が徒歩で、城の外に出ていったのを知った城兵二、三人は、うまやにしのんで、朝月をころして食おうとした。そして、槍をひねってつき殺そうとした、間一髪、
「ヒ、ヒン」
いなないた朝月は、たづなをふり切って、その槍を取った兵の肩さきに、電光石火の早さでかぶりつくと、大地にたたきつけた。それと見てにげ出そうとした一人は、腰をけとばされて息もできずのめってしまった。
それがために、もう、だれもおそれて、朝月を殺して食いたいなどと思う者はなくなった。
「よくやった。よくやっつけた」
清兵衛は、朝月の首をだいてうれしなきにないた。
「朝月、死ぬ時にはいっしょだぞ。よいか、よいか――おお、まだ、水を今日はのませなかったな、待てよ」
清兵衛は、大地にふり積もった雪を、兜の中にかきこみ、火をたくにも薪がなかったので、自分の双手をつっこみ、手のひらのあたたかみでもんで水にとかして、
「朝月、のめよ」
と口もとに持っていってやるのだった。
心なしか朝月の大きな目がしらに、涙が光っているようだった。そしてその水をのんで、長い顔をこすりつけてくる、その顔を静かにさすって、