Japanische Klassiker mit Furigana
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さんにんのそうせいじ
三人の双生児
海野 十三
Lesen Sie 三人の双生児 (さんにんのそうせいじ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.806 Zeichen · 87 Bildschirme
「名前を伺わなければ、あたしが困りますといって伺って来なさい」
「ハア、でございますが、その方……」
といってキヨは目を円くしてみせながら、
「殿方でございますが、とってもお奥さまによく似ていらっしゃいますの。殿方と御婦人との違いがあるだけで、まるで引写しでございますわ」
妾はギクリとした。自分にそんなによく似ている男の人て誰のことだろう。妾はちょっと気懸りになった。
「じゃあ真さん、先へ入って待っててちょうだい。しかし何を見ても出て来ちゃ駄目よ」
「ははア、なんですか。じゃお先へ入っていますよ」
妾は部屋の鍵を明けると、真一を中へ押しやった。そして入口の扉を引くとそのまま廊下へ引返して、キヨの後を追った。キヨは先に立って御玄関へ出た。
「アラ、どうしたの」
妾は御玄関でキョロキョロしているキヨの肩を叩いた。
「まあ変でございますわねえ。いままでここに立っていらっしゃいましたのですけれど、どこへお出でになったのか、姿が見えませんわ」
「まあ、いやーね」
妾はすこし腹が立って、今夜は逢わないといえと云いつけて、すぐさま真一の待っている離れの間へ引返した。
「真さま、お待ち遠さま」