Japanische Klassiker mit Furigana
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さんにんのそうせいじ
三人の双生児
海野 十三
Lesen Sie 三人の双生児 (さんにんのそうせいじ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.806 Zeichen · 87 Bildschirme
重い扉をあけて、中へ入ったが、どうしたものか真一は返事をしなかった。狸寝入かしらと一歩、室内に踏みこんだ妾はそこでハッと胸を衝かれたようになって棒立ちになった。
「まあ、――」
当の真一は蒲団の側に長くなって斃れていた。顔色は紫色を呈して四肢はかなり冷えていた。心臓は鼓動の音が聞えず、もうすっかり絶命しているようであった。その枕もとに水を呑んだらしいコップが畳の上にゴロンと転がっていた。
意外な、そして突然の、「海盤車娘」の死だった!
自殺か、他殺? 他殺ならば一体誰が殺したのであろう?
5
妾は「海盤車娘」の真一がもう死に切っていると知ると、あまりのことに頭脳がボーッとしてしまった。さしあたり先ず何を考え何から手をつけてよいのやら、まるで考えが纏らない。唯空しく真一の屍体を眺めているばかりだった。
そのうちに少し気が落着いてきた妾は、
「医者だ! 早く医者を呼ばねばいけない!」
ということに気がついた。そして立ち上った。医者ならばこの男を或いは助けられるかもしれない――と、始めは思ったものの、しかしもしもこの真一がこのまま生き返らなかったらどうなるのだろうと、それが俄かに気懸りになった。