Japanische Klassiker mit Furigana
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さんにんのそうせいじ
三人の双生児
海野 十三
Lesen Sie 三人の双生児 (さんにんのそうせいじ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.806 Zeichen · 87 Bildschirme
格子のなかの妾のはらからについては、妾はそれ以外に多くを憶えていない。第一どうしても思いだせないのは、彼女の名前だった。母は格子の中に寝ている子供を指して、これはお前のはらからで、同じ年である。お前の方がお姉さまだから、温和しく可愛いがってあげるのですよといったのは憶えているのだが、どうしてもそのはらからの名前が思い出せない。ひょっとすると、母はそのはらからの名前を妾に云わなかったのかも知れない。
妾がはらからについて記憶していることは大体右のような事だけである。その後のことについては全く知らない。その後のことは、座敷牢のはらからのことだけではなく、妾の母についても知るところがない。なぜなら妾はそれから間もなく、母と不幸なはらからとに別れてしまったからである。それは突然の別れであった。それについては、いずれ後に述べることになるが、とにかく思いがけない事件が、妾から母と妹――カンカンを結って喜んでいたはらからのことを、妹と呼んでいいだろう――とを奪ってしまったのだ。
その後ある機会に、妾の母は死んでしまったことを知った。そして残るのは妾の妹(?)の消息だけなのであるが、いま妾の企てている探索がもし成功しないとすれば、あの川添いの家でカンカンを見せ合ったときが、実に母と妹とに対する最後の別れとなるのである