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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんにんのそうまだいさく

三人の相馬大作

直木 三十五

Lesen Sie 三人の相馬大作 (さんにんのそうまだいさく) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 32.603 Zeichen · 66 Bildschirme

Aozora Bunko

隣りの町の人々は、すぐ見に行って、その隣りの町の人々へ先に見てきたことを自慢した。そうして相馬大作の顔を見ようとする男、女――子供、老人、あらゆる人々が、往来一杯になる位に出てきた。役人がきた。人々は、動揺した。役人が戻った。

「今に大捕物があるぜ」

と、噂した。そして、徹夜までしたが、何も無いと知ると

「役人も手がつけられねえ、八十人力だというからのう」

とか

「邸の中に、お前、地雷火が伏せてあるんだとよう」

とか、話をした。そして、相馬大作の再現は、江戸中へ、拡がった。

二十六

大作は縁側へ出、庭に向って、毛抜きで、頤髭を抜いていた。

(何時捕えられるかもしれぬ――いつ、捕えられてもいい)

邸の外では、群衆が、大作に聞える位の大きい声で、口々にその素晴らしい、英雄的行為を称めていた。大作は、眼を険しくして、眉をひそめて

(町人共は、わしを称めている。然し、あいつらに、わしの行いは判るであろうが、わしの志は判るまい――だが、それは無理も無いことだ。町人までが、わしの志の判る世の中なら、それは堯舜のような時代だ、老中、重役共でさえ、大義が何んであるかを知らない時世だ。