Japanische Klassiker mit Furigana
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さんにんのそうまだいさく
三人の相馬大作
直木 三十五
Lesen Sie 三人の相馬大作 (さんにんのそうまだいさく) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 32.603 Zeichen · 66 Bildschirme
こういう世の中において、義を述べんとする者は、死を以てなすより外にない)
大作は、褌を新らしくし、下着を取替えて、いつでも、召捕られる用意をしていた。
「入門者が、参りました」
と、新らしく召抱えた田舎出の老人が、いってきた。
「入門者?」
「はい、若い、御大身らしい方で、御座りますが」
「客間へ通しておけ」
大作は、そういって
(奉行所からの廻し者であろう)
と、思った。そして、頤を撫でて
(こうしておけば、十日、二十日、牢屋におっても、むさくるしい顔には成らん)
と、考えながら、客間へ立って行った。
客は、黒縮緬の羽織に、亀甲織の袴をつけた、若い侍であった。挨拶を済ますと
「入門を、お許し下されましょうか」
と、いった。大作は
(奉行の手の者では無い。それにしても、物好きな――)
と、感じると同時に
「相馬大作は何者で、何をした男か、御存じの上か?」
「心得ております」
「咎めを受けることがあるかもしれぬが、御承知か?」
「義を、道を学ぶ者として、俗吏の咎め位を恐れて、何と致しましょう」
若者は、その当世風の着物に似ず、しっかりした口調でいった。大作は、微笑して頷いた。