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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんにんのそうまだいさく

三人の相馬大作

直木 三十五

Lesen Sie 三人の相馬大作 (さんにんのそうまだいさく) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 32.603 Zeichen · 66 Bildschirme

Aozora Bunko

わしは、師に及びもつかぬ下根であるが、只一つ、死所を得た。もし、後世に至ったなら、尚、美化されて、人々の間に残されるであろう)

大作は、明るい心で、立並んだ人々に、微笑を見せながら、

(わしを見た人々は、必ず、自分の、当今の懦弱な、贅沢な振舞を省みるであろう。寝静まって、良心の冴えてくる時、不義に虐げられた時――)

大作は、自分の眼の前に、高く聳えている槍の穂先を、快く眺めている。

(心残り無く死ねる、戦場で死ぬよりも、この方が、大丈夫として立派だ)

人の出来ないことをして、そうして、こういう死をもって、なお世間へ、自分を記憶させることの出来る自分を、快く感じながら、大作は、馬上に揺られて行った。

「この仁が、大作殿か」

編笠の侍が人混みの中で、笠を傾けて、じっと、顔を見ていたが

「成る程、何こか、父に似たところがあるのう」

と、一人の連れに囁いた。

「何こか、横顔に――」

「引廻しの日に、敵の居所をつきとめたのも、何かの因縁であろう」

大作の馬は、一行は行きすぎた。人々は、二人の立っているところを、雪崩れ出した。

「行こう」

二人は、人混みの中を抜けて、急いで歩き出した。