Japanische Klassiker mit Furigana
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さんじゅうねんごのとうきょう
三十年後の東京
海野 十三
Lesen Sie 三十年後の東京 (さんじゅうねんごのとうきょう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 13.731 Zeichen · 28 Bildschirme
町を案内してもらったが、なるほどじつににぎやかであり、また清潔であった。昔は、にぎやかな町ほど、砂ほこりが立ち、紙くずがとびまわり、路上にはきたないものがおちていたものだ。
しかし、この町はほこりは立たず、紙くずはなく、路面ははだしで歩いても足の裏がよごれないように見えた。
町は、天井が高く、路面から三十メートルはあったろう。そして、その天井は青く澄んで、明るかった。まるで本ものの秋晴れの空が頭上にあるように思われた。
「あの天井には、太陽光線と同じ光を出す放電管がとりつけてあるのです。その下に紺青色の硝子板がはってあります。ですから、ここを歩いていると昔の銀ブラのときと同じ気分がするでしょう」
「ああ、あれはほんとうの空じゃなかったのですか――うん、そうだ。地面の中にもぐっていて、青空が見えるはずがない」
正吉は、うっかり思いまちがいしていたことに気がついて、顔があかくなった。しかし、それほどほんものの秋空に見えるのだった。
区長は、正吉を、りっぱな本屋につれこんだ。奥は住宅になっていた。いわゆるアパートメント式の住宅であった。そのうちの一軒の前に立った区長は、扉をこつこつと叩いた。