Japanische Klassiker mit Furigana
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さんえもんのつみ
三右衛門の罪
Lesen Sie 三右衛門の罪 (さんえもんのつみ) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.132 Zeichen · 15 Bildschirme
この態度を急変するのは治修の慣用手段の一つである。三右衛門はやはり目を伏せたまま、やっと噤んでいた口を開いた。しかしその口を洩れた言葉は「なぜ」に対する答ではない。意外にも甚だ悄然とした、罪を謝する言葉である。
「あたら御役に立つ侍を一人、刀の錆に致したのは三右衛門の罪でございまする。」
治修はちょっと眉をひそめた。が、目は不相変厳かに三右衛門の顔に注がれている。三右衛門はさらに言葉を続けた。
「数馬の意趣を含んだのはもっともの次第でございまする。わたくしは行司を勤めた時に、依怙の振舞いを致しました。」
治修はいよいよ眉をひそめた。
「そちは最前は依怙は致さぬ、致す訣もないと申したようじゃが、……」
「そのことは今も変りませぬ。」
三右衛門は一言ずつ考えながら、述懐するように話し続けた。
「わたくしの依怙と申すのはそう云うことではございませぬ。ことさらに数馬を負かしたいとか、多門を勝たせたいとかと思わなかったことは申し上げた通りでございまする。しかし何もそればかりでは、依怙がなかったとは申されませぬ。わたくしは一体多門よりも数馬に望みを嘱して居りました。多門の芸はこせついて居りまする。