Japanische Klassiker mit Furigana
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さんねんめ
三年目
山本 周五郎
Lesen Sie 三年目 (さんねんめ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.214 Zeichen · 22 Bildschirme
……広田屋の裏長屋にいた舟八百屋の娘で、ちょっと器量がよかったのと誰とでも気軽に冗談を云う明るい性質から、一時は界隈の若者たちにずいぶん騒がれたこともあった。
「あたしにもいただかしてよ」
女は催促するように盃を差出した。
「この五六日水騒ぎでお客はばったりなの、すっかりくさってたところだわ、お馴染がいに今夜は酔わせてもらっていいでしょ」
「べつに酌はしねえから、勝手にやってくんな」
「御挨拶だこと、でも友さんは昔からそうだったわ、ひとがやきもきしているのに、いつだって外方を向いてどこを風が吹くかという顔だったわね、いま考えても憎らしいわ」
「なんだ、変なところで嬉しがらせを云うぜ、あの時分はおいらなんざ見向きもしなかったくせに」
「嘘にもそんなことを云わないでちょうだい、あたしが友さんをどんなに想っていたか、ちゃんと知ってたはずじゃありませんか」
「へええ、そいつは初耳だな」
「とぼけたって駄目よ、いつか杵屋さんの土蔵の裏で、あたしを泣かせたこと忘れたの?」
四五杯たて続けの酒で、女はもう少し酔ったようすだった。……云われてみればそんなこともあった、こっちはてんでそんな気持はなかったので、そぶりやぜで心を通わせようとする娘を、ただうるさいとばかり思っていたが、いつか町内の杵屋という質屋の土蔵裏で、お米が恋文を渡そうと