Japanische Klassiker mit Furigana
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みうらたまきのプロフィール
三浦環のプロフィール
吉本 明光
Lesen Sie 三浦環のプロフィール (みうらたまきのプロフィール) von 吉本 明光 (よしもとあきみつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.579 Zeichen · 23 Bildschirme
戦争のために栄養物がなくなり、日本人はみんなやせた。肥っているのは軍官と結託して闇物資をあさっている闇肥りの連中だけだったが、それにしても、あのでっぷり肥って、色艶がよくて、せいぜい四十そこそこにしか見えなかった、若々しい、三浦環さんが、僅か一年ほど逢わないうちにこんなにやせて、こんなに一度に年をとって、お婆さんになろうとは夢にも考えられなかった。
囲炉裡の火で濡れた洋服を乾かす間もなく、山中湖の鮒だの、山濁活だの、富士新種というねっとりした馬鈴薯だの、戦争前でも珍らしい御馳走が次から次へと出された。三浦環さんは昔から見栄を飾らない。虚栄などというものは薬にしたくもない。いつでも素ッ裸になって、生地ありのままで応対する。演奏会とか、お弟子さんを楽壇に紹介するための公式のリセプションを除き、麹町の自宅を訪問して、時分時になると「お茶漬けを一杯召上がれ」といっては、有合わせのもので、御馳走する。見栄も張らなければ虚飾もない、ただ真心で温たかくもてなして下さった。
その夜、囲炉裡を囲こみながらの、文字通りの炉辺歓談は、この春八十八歳で他界されたお母さんのことから始った。