Japanische Klassiker mit Furigana
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みうらろうじんむかしばなし
三浦老人昔話
岡本 綺堂
Lesen Sie 三浦老人昔話 (みうらろうじんむかしばなし) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.637 Zeichen · 224 Bildschirme
酒を飲まないにしても、味淋の這入ったものを何か喫べたでしょう。少しでも酒の気があっては、彫れませんよ。」
酒と違って、味淋は普通の煮物にも使うものですから、果して食ったか食わないか、自分にもはっきりとは判らない。これには清吉も些と困った。
「味淋の気があっても不可ませんか。」
「不可ません。すこしでも酔っているような気があると、墨はみんな散ってしまいます。」
刺青師が無分別の若者を扱うには、いつも此の手を用いるのだそうです。この論法で、きょうも不可ない、あしたも不可ないと云って、二度も三度も追い返すと、しまいには相手も飽きて、来なくなる。それでも強情に押掛けてくる奴には、先ず筋彫りをすると云って、人物や花鳥の輪廓を太い線で描く。その場合にはわざと太い針を用いて、精々痛むようにちくり/\と肉を刺すから堪らない。大抵のものは泣いてしまいます。縦令ば歯を食い縛って堪えても、身体の方が承知しないで、きっと熱が発る、五六日は苦しむ。これで大抵のものは降参してしまうのです。源七もこの流儀で、味淋の気があるを口実にして、一旦は先ず体よく清吉を追い返したのですが、なか/\この位のことで諦めるのではない。